◆野菜一日400c 塩分は10c未満 毎日60分の歩行
日本人のがん予防に役立つ八項目の指針を、国立がんセンターがん予防・検診研究センターの津金昌一郎予防研究部長らがまとめた。
同様のものとしては「がんを防ぐための十二カ条」(同センター監修)が有名だが、今回は数値を盛り込むなど、
より具体的に生活習慣改善を指導しているのが特徴だ。
指針はまず、禁煙を「がんになる確率を三分の二に減らせる。もっとも確実ながん予防法」として推奨。
吸わない人には、他人の煙を吸い込む受動喫煙の危険性を警告した。
飲酒は「適度」で、具体的には「日本酒換算で一日一合(ビールで大瓶一本)以内」とした。
食事では、野菜・果物を一日に少なくとも400c取るようにする。
胃がんのリスクとなる可能性が高い塩分の摂取は一日10c未満にして、熱い飲食物も最小限にするよう求めた。
また、毎日合計60分程度の歩行など適度な運動と、週に一回程度は汗をかく激しい運動が必要で、成人期での体重を維持する。
肝臓がんの予防としては、B型やC型の肝炎ウイルスの感染に注意し、感染者は治療することが重要とした。
これらの予防法を実践する上の注意点は、特定の栄養素を取りすぎると逆に悪影響を与える可能性があること。
とくに栄養補助剤(サプリメント)の服用は注意が必要としている。
米ハーバード大の1996年の推計によると、米国人のがん死亡者の発症原因は、食事とタバコが、ともに30%で最多。
運動不足(5%)飲酒(3%)と合わせ、生活習慣が68%に上った。
今回の指針は、様々な予防法の有効性を評価した世界保健機関(WHO)の2003年食事指針などを基に作成しており、
「信頼性が高く、日本人がこれだけは守った方が良いと考えられる予防法をまとめた」(津金部長)という。
がん予防指針8項目(国立がんセンター)
- たばこを吸う人は禁煙。吸わない人も、他人のたばこの煙を可能な限り避ける。
- 適度な飲酒。具体的には、日本酒換算で一日一合(ビールで大瓶一本)以内。飲まない人は無理に飲まない。
- 野菜・果物を少なくとも一日400c取るようにする。たとえば、野菜は毎食、果物は毎日。
- 塩蔵食品・塩分の摂取は最小限。具体的には、食塩として一日10c未満、塩辛や練りウニなどの高塩分食品は、週に一回以内。
- 定期的な運動の継続。たとえば、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動、週に一回程度は汗をかくような激しい運動。
- 成人期での体重の維持(太り過ぎない、やせ過ぎない)。具体的には、BMIで27を越さない、20を下回らない。
- 熱い飲食物は最小限。たとえば、熱い飲料は冷ましてから飲む。
- 肝炎ウイルス感染の有無を知り、その治療(感染者)や予防(未感染者)の措置をとる。
(注)BMI(体格指数)は、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値。